ジェイムス・イハの1st「Let It Come Down」
いつもご訪問ありがとうございます、フカジです。
先日「メロンコリーそして終りのない悲しみ」の記事を書きよく聴いていたが、関連するものでだんだん涼しくなってくる秋に毎年聴きたくアルバムがある。
元スマッシング・パンプキンズのメンバー、ジェイムス・イハのファーストアルバム「Let It Come Down」だ。
発売されたのは1998年。
93年のサイアミーズ・ドリーム以降、私はスマパン関連のCDがリリースされると購入していた、アドアで少し興味が薄れたような記憶があるが「Machina: The Machines of God」まで購入したかな、1998年ごろはスマパンへの興味が薄れはじめたころだ。
私がスマパンに求めるものはサイアミーズ・ドリームだったので、このイハのアルバムをはじめて聞いた時、地味な印象を受けあまり聴かないCDとして棚に眠っていた。
ある時、もう年齢も30歳半ばごろiPodをはじめて購入し手持ちのCDを全て流し込みドライブ中にランダムで再生していたところ、
季節は秋口だったか、イハの「Be Strong Now」が突然再生された。
よく、「いまかける曲がないな〜」なんて思う時iPodの全曲シャッフルを利用する。(iPhoneではアルバム→すべてをシャッフルなど)
すると「このiPodはAIが入ってんじゃない?」とか「おお!今のこの時、この曲をセレクトしてくれたな」なんて瞬間がある(笑)
その時、キンモクセイの香りほのか、涼しくなってきた空気に何年も聴いていなかった「Be Strong Now」のイントロが溶け込みぐっと引き込まれた。
20代ではよくわからなかったこのアルバム「Let It Come Down」の良さが30代を過ぎたころiPodのおかげでわかった。
それ以来秋になるとこの「Let It Come Down」をよく聴く。
程よいフック、メロディ、アレンジ全てがシンプル。
この作品はキャロル・キングの「つづれおり」や荒井由実時代のユーミンの作品などと同じく古くならない作品。
「Let It Come Down」はアルバム全体をとおしてエレキギターのクリーンの音が気持ち良い。
派手なアレンジの作品はどうしても時代が出てしまう、
その音はひとまわりして新鮮に響くことも年を重ねわかってきたが、
普遍なのはギター・ベース、ドラムにアコーステック楽器の作品。
良いメロディにこのシンプルな編成は時を超える。
もちろんスマパンの一連の作品(特に最初の3枚)も今聴いても素晴らしい、実際メランコリーの記事を書いてからここ1ヶ月ギッシュやサイアミーズ・ドリームもよく聴いていた。
言ってみればスマパンもギター・ベース、ドラムにアコーステック楽器なのだが、、、なんだろう、スマパンの作品は20代の頃のほうがより快感へ導いてくれていた。
この感覚を「断酒ブログ」的に考えてみた。
画像:クロスビート 1996年4月号, シンコーミュージック社.
スマッシング・パンプキンズとドラッグ
ここで1996年2月頃のスマッシング・パンプキンズ来日時のクロスビート誌のインタビューを引用します。
B:ビリー・コーガン
D:ダーシー・レッキーーーーーその結果生まれたデビューアルバム「ギッシュ」これを96年の今振り返ってみてどうです出来は?
B: とにかく若い
D: 若い気持ちになるってこと?それとも年取った気分?
B: いや、このアルバムの自分を振り返るとすごく若かったなって感じるんだ
D: なるほどね
B: 最もポジティブな点は自分でちゃんと曲を書いてることで……無論、ナイーブなテイクもあるけど、それはものを知らなかったが故のことで、逆にナイーブだったからこそ新鮮さエネルギーが感じられると思う。
これは決して後から取り戻せるものじゃない。僕たちのような経験をいちどしてしまったらあんなナイーブさを取り戻すのは無理だな。ーーーードラッグの存在がこのバンドの創造性に影響したことってあります?
B: もちろん「ギッシュ」と「サイアミーズドリーム」にはドラッグが大いに絡んでいる。ーーーーベリーファレルなんかはドラッグがとんでもない経験をもたらしそれがクリエイテヴィリティに寄与すると言ってたんですけど、
B: それは本当のことだよ、ただドラッグにはネガティブな要素もつきまとうんだ。具合が悪くなるわ、頭すっきりしないわ、友達とうまくいかなくなることもあるわ…ドラッグ摂取には悪い面も常にある。僕たちはそのいい面も悪い面も経験してきた。
D: 私はドラッグをやると普段と思考回路が変わるって考えには納得していないの。感覚が変わるだけよ。感じ方が変わったからって普段思い付かないことを考えるようになるとは限らないでしょう?別に賢くなるんでもないしーーーー今はその力を借りる必要もなくなったと?
B: いやそうじゃなくて初めからこれは必要かどうかの問題じゃないんだ。
やる時もあればやらない時もあり……
僕は絶対に他人にはドラッグ服用を勧めたりはしない。いい面より悪い面のほうが多いからね。スマッシング・パンプキンズ独占インタビュー実現」,クロスビート 1996年4月号, p.7〜8, シンコーミュージック社.
画像:クロスビート 1996年4月号, シンコーミュージック社.
画像のページを含め12ページに渡る巻頭特集でのインタビュー、イハの発言が少ない。
発言回数をカウントするとビリーは60回、ダーシーは14回、イハは9回 ジミー・チェンバレン3回と物静かな感じ。
「Let It Come Down」をはじめて聴いたときの印象とかぶる。
このインタビューはメランコリーを発売後1996年2月ごろの来日時、ビリーはドラッグには否定的な発言をしておりその同じ年の7月にドラマージミー・チェンバレンがドラッグで逮捕され、スマパンを解雇される。
冒頭にも書いたが私は「アドア」でスマパンへの興味が薄れはじめた。
それはジミー・チェンバレンが「アドア」ではドラムを叩いていないことも影響している、彼のドラムはほんとうに気持ちよかった。
これまで私は断酒についてブログを書いてきた。
いつの間にか毎日飲み始めたビールや焼酎。20代後半から何度もやめようと思いながらやめることができず…
40代にしてやっとやめることができ、現在断酒1100日を越えた。
アルコールとこのインタビューにあるようなドラッグを同じ土俵で語ると賛否色々意見はあるだろうが、ビリーやダーシーのドラッグについての発言は、まさに私がアルコールで感じた感覚と同じである。
ビリーやダーシーはアメリカの文化、スマパンの成功のなかでいろいろな経験をしただろう
このインタビュー時96年、60年代後半生まれのスマパンのメンバーは当時20代後半。
アルコールもそうだが20代前半は少々無理しても翌日復活も早い。
ひょっとしたら心を開放させクリエイティブな面でもプラスに作用することもあったかもしれない、だが、20代後半から肉体や精神面でマイナスがだんだん大きくなる。
1999年ごろベースのダーシー・レッキーもクラック・コカイン所持の容疑で逮捕されているとのこと、当時いい女が楽器もつ姿って色っぽいと心から思った、ほんとやわらかそうだったダーシー、ドラッグは厄介だ。
ビリー・コーガン、ダーシー・レッキーのインタビュー抜粋
■ビリー・コーガン
- ドラッグにはネガティブな要素もつきまとう
- 具合が悪くなる
- 頭すっきりしない
- 友達とうまくいかなくなることもある
- ドラッグ摂取には悪い面も常にある
- 僕たちはそのいい面も悪い面も経験してきた
- 僕は絶対に他人にはドラッグ服用を勧めたりはしない
- いい面より悪い面のほうが多いからね
■ダーシー・レッキー
- 私はドラッグをやると普段と思考回路が変わるって考えには納得していない
- 感覚が変わるだけ
- 感じ方が変わったからって普段思い付かないことを考えるようになるとは限らない
- 別に賢くなるんでもない
スマッシング・パンプキンズ独占インタビュー実現」,クロスビート 1996年4月号, p.7〜8, シンコーミュージック社.
もう、この内容アルコールに置き換えてもなんらかわらない。
20代前半ごろ私はスマパンのサイアミーズ・ドリームを聴きながら、自分の内面にある何とも言えないドロっとしたものを爆発させていた。
一人でビールを何本も流し込みながら全く変わらないイライラした気分を閉じ込めていた。
そして外で飲んだら記憶を失くし他人に迷惑をかけることも多々。
自分の内面を爆発させた気になることが快感だったのだろうか、もう忘れてしまった。
■ビリー・コーガン
B: もちろん「ギッシュ」と「サイアミーズドリーム」にはドラッグが大いに絡んでいる。
B: とにかく若いスマッシング・パンプキンズ独占インタビュー実現」,クロスビート 1996年4月号, p.7〜8, シンコーミュージック社.
初期のスマパンを聴いて20代前半の頃に私が感じていた快感はこういうことなんだと思う。
最後に、今回久しぶりに引っ張り出したクロスビートにビリーの頭髪がスキンヘッドになったことについてのインタビューがありました。
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ビリー・コーガンの頭髪はなぜスキンヘッドなのか
ーーーーまずはどうしても避けて通れない質問から。ビリーはなぜ頭を丸めちゃったんですか?
D:とりあえずポケットに隠してあるのよ(笑)
B:人に貸してる
B:髪の毛の話は一切しないことにしてるんだ
ーーーー何も?
全部切っちゃったから話すことは何もない
ーーーーわかりました本題にいきましょう
スマッシング・パンプキンズ独占インタビュー実現」,クロスビート 1996年4月号, p.6, シンコーミュージック社.
メランコリーの内部のジャケの写真にははまだ髪がありますから、ちょうど96年ごろにスキンヘッドにしたんですね。
とにかく触れてほしくないようです。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。
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