エフェクター・機材

BOSS マルチエフェクターSE-70を20年経ったいまレビュー

投稿日:2016-02-11 更新日:

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BOSS マルチエフェクター SE70

BOSS SE-70 SUPER EFFECTS PORCESSOR

・93年4月発売〜99年8月 発売時価格 69800円

BOSSの90年代の代表機種、長期に渡り売れ続けたマルチエフェクターの名器。
コンパクトならSD-1など30年以上ラインナップにある機種もあるが、デジタル技術を駆使したマルチエフェクターは世の中の技術の進歩のスピードに寿命が左右される。

布袋さんのGUITARHYTHMで使用された「GP-8」は2年半(1987年3月〜1989年8月)、SE-70の前身機種「SE-50」も2年半(1990年9月〜1993年3月)といったなか、SE-70は6年という長期に渡り販売されていた。

20数年前、私フカジがスタジオの練習帰りに立ち寄った楽器店に、発売されたばかりのSE-70が入荷し、自分のギターをつなげ試奏させてもらったところ、あまりの音の良さ惚れてしまいその後バイトをしまくり購入した思い出の1台。

ライブでも使用するためにMIDIスイッチのFC50やEV5のペダルやFU-5Lなども同時購入し、少し値引きしてもらった記憶があるが合計90000円弱ほど。

SE-70には35種類のエフェクターが45種のアルゴリズム(予め用意されたエフェクターの組み合わせ)で組まれている。当時BOSSで出していたコンパクトはほぼすべて入っていたので、少々高くてもかなり満足し、スイッチを入れる度に新しい感動を得た覚えがある。

最初に1台購入しそれから宅録も濃いものを作るようになり、数年後中古で安くなっていたものをもう1台購入するほど惚れ込んだ機種。

現在ならGT-100あたりで済みそうだが、この機種は機材としてよい音を出してくれただけでなく、エフェクター知識や音の変化を学ぶ機会を私に与えてくれた。

購入当初はほとんどエフェクターの知識もなく、2冊に分かれた説明書を毎日熟読しながらパラメーターを回し音の変化の感覚を身につけた。

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新たなDSPチップの搭載によりSE70に比べて3倍の能力という飛躍的な進化を遂げたSE70
「開発する方の苦労も3倍かかりましたが、とにかく世の中にあるエフェクターは全部SE70のなかにいれてやろうと(笑)」

THE BOSS BOOK 2,2006年10月25日, p.97, シンコーミュージックエンターテイメント.

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BOSS SE-70を使用していたギタリスト

  • スティーヴ・ハケット
  • ビリー・ギボンズ
  • ジョー・ペリー
  • ジェフ・ワトソン
  • ダグ・アルドリッチ

参考文献:THE BOSS BOOK 2,2006年10月25日, p.126〜128, シンコーミュージックエンターテイメント

上記ギタリストの方々はSE70の中のひとつ、例えばリバーブが好きとか、ディレイだけ好みという使い方だと思うが、そうそうたるギタリストが使用していた。

アナログ回路の歪みと艶のリバーブ

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歪みはアナログ回路

SE-70以前のマルチエフェクターの歪み。
90年代前半、当時かなり高額のGP-16を楽器店で試奏させてもらったことがあるが、空間系などよい音と感じたがオーバードライブの音がギラついたように感じた。(その後サンプリングしたギターの音が流行ったがそんな感じの印象だった)
なんでも入っているマルチは、歪みはあまり音がリアルではないなぁという感想だった記憶がある。
GP-16やSE-50は歪みもデジタル回路だったようだ。

90年頃のGP-16のデジタルの歪みについて

※Roland GP−16 (89年10月〜93年3月販売終了、SE-70は93年4月販売開始)

GP-16=世界初のデジタルマルチ…故に可能となった画期的な新機軸だが、ただディストーションの歪みに関しては賛否両論があった。
「当時はA/Dコンバーターのビット数が少なくて16ビットが精一杯でした、それで歪を作ると量子化ノイズが目立ってしまって…これはデジタル化することによって発生するノイズなんですけどそれが非常に問題になりました」(前出:山田氏)
平たく言うと荒っぽい感じになっちゃったんです。デジタルによる音作り自体が初めてでしたし、もちろんモデリング技術もまだ確立できていませんでしたので「どうもデジタルは音が硬い」という不評を頂いたこともありましたし、やっぱり歪みはアナログだよねという話が世間に流れたりとか…。
でもそれは未だにトランジスタより真空管のほうがというという風潮があることに近いというか…。ただ、事実として音が荒っぽいのは自分たちでも認識していました。〜〜中略〜〜(同社第2開発部GKグループリーダー:酒井義史氏)
なんでも、今ではAD変換の新しい独自の方法が(AF/A/D)ができたため量子化ノイズを克服した、ということだがデジタル設計のノウハウが無かった時代、良質な歪のデジタル化は相当に大きな壁だったらしい。

引用:THE BOSS BOOK 2,2006年10月25日, p.55, シンコーミュージックエンターテイメントP55

上記のような理由からか、私はギラついた歪みと感じたようだ。
それはそれで狙って使用する使い方はあると思うが、BOSSのコンパクトの音を求めていると、やっぱりちょっと違うと感じてしまう。

デジタルの歪みに苦戦したこともあってか、SE-70の前身機種SE-50とGP-16はSE-70の発売で販売を終了してしまう。
SE-70はオーバードライブをはじめとする歪み回路をアナログ回路に戻してしまった。

現在2016年でもやはり歪みはトランジスタより真空管のほうが気持ちいいという風潮もあるようなので、人間が気持ち良いと感じる音は普遍なのかもしれない。
(COSM技術やLINE6などのモデリングはトランジスタや真空管のモデリングなので)

SE-70のアナログ回路の歪みの種類は、20数年前ですでにビンテージだったOD-1のVINTAGE ODをはじめ、元になった機種は、OD-1(VINTAGE OD)、SD-1(NATURAL OD)、BD-2?(CRUNCH)、DS-1(DISTORTION)、HM-2(METAL 1)、MT-2(METAL 2)、FZ-2(FUZZ)あたりではないかと思う。※機種は私フカジの推測です。
SE-70発売開始ごろはCRUNCHで書いているBD-2はまだ発売されていないが、初めてBD-2の音を聴いた時にSE-70のCRUNCHを思い出した。

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そして歪み系のエフェクターに加えアンプシミュレーターも搭載されているので、ヘッドホンで聴いたり、宅録などでも迫力ある音で録音できた。
アンプシミュレーターの音に関してはあれから20年経ち、SE-70のアンプシミュレーターをCOSMという強力な技術が凌駕しているが、SE-70のオーバードライブなど歪み系の音は時代を超えていると私フカジは感じる。
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これはいまだに中古価格の落ちない根強いBOSSの日本製の数々、80年代のBOSSコンパクトの人気機種を元にチューニングされているからか、今後も変わらない普遍的なグッとくる音なのだろう。

SE-70の歪みでCUBE LiteのCOMS JCモデリングでの自宅練習、小音量でかなり気持ち良い音になる。
BOSSの歪みはやはりJCとの相性がよい。

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艶のリバーブ

SE-70に搭載されているエフェクターはどれもクオリティが高く現在でも遜色ないと思うが、とくにリバーブの艶は接続した楽器の音に色気を加える。
SE-70はギター専用のマルチではなく総合的なマルチエフェクターだ。
よくスタジオ練習など持ちこみ他のメンバーにも貸したが、特にキーボーディストから絶賛だった。理由を聞くとリバーブの品質がたまらないという声が多かった。(※キーボーディストの浅倉大介さんもSE-70を長年使用しているとネットで検索したらでてきました)

SE70の開発秘話

SE-50で1つのチップをまるごと使って良いリバーブを作ったんですけど、SE-70は3倍の処理能力があるので3倍良いリバーブを作らなあかんということになりまして、SE-50の時でも十分なくらいに良いリバーブができていたのに、まだこの3倍やらせるのかよ…みたいな(笑)
引用:「マルチエフェクター全30機種に関する秘話、実話、真相、裏話集 」THE BOSS BOOK 2,2006年10月25日, p.97, シンコーミュージックエンターテイメント

BOSS ビンテージエフェクターを搭載

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ビブラート(VB-2)やスローギア(SG-1)

20数年まえSE-70が発売された頃、すでにOD-1をはじめ廃版のエフェクターはプレミア化していた。
バンドやろうぜに話題があったり、布袋さんがビブラートを使っていたなどで、高校生だった私も廃版エフェクターに興味が湧き始めていた。

最近SE-70を引っ張りだしたのも、BOSSがVB-2を技CRAFTで復刻するという記事を見たからだ。

それにしても、ビンテージのエフェクターの落札相場はすごい、BOSS人気っぷりがわかる。

ボコーダー

なんでも入っているSE-70にはボコーダーも入っている、技CRAFTでVB-2の復刻に加え、ボコーダーもVO-1というコンパクトで発売されるとのこと。
まるでSE-70の中身をバラ売りしているようだ(笑)最近よく流れている曲でボコーダーが多用されていることから、時代に合わせたコンパクト化なのだろう。
SE-70のボコーダーは手軽で使いやすかった。

ボコーダーも入れてみたんですが、なかなかいいものができたと自負しています。ステレオで片方のチャンネルにマイクを直接挿して、もう片方のチャンネルにギターなりキーボードなりを刺して使えばSE-70の中でミックスしてボコーダーの効果が出せるんですよ。大掛かりなセットアップやギターをマイキングする必要もなくて…という非常に便利で使いやすいヴォコーダーになっていましたね。
引用:THE BOSS BOOK 2,2006年10月25日, p.97, シンコーミュージックエンターテイメント

SE-70にはその他簡易サンプラーやギターシンセも搭載されており、ギターシンセはライブで使用したほど実用的だった。

SE-70の使いにくい点

プログラム切り替えのレイテンシー

曲中で音色を変更すると音が途切れてしまうのだ。
SE-70に限ったことではなく、この頃のマルチエフェクターはほとんどそうだったと思う。処理能力がまだ低いため、音の途切れが目立った。
SE-70はアルゴリズム自体を切り替える場合は音の途切れが発生していたが、ひとつのアルゴリズムのなかで、エフェクトのオンオフや、ボリューム操作をコントロールする場合音が途切れなかった。
アルゴリズムを切り替える場所はブレイクなどのアレンジを入れ、上手く使えば、音の途切れを目立たなくさせプレイすることができた。

SE-70はBOSSのひとつの到達点だったのでは?

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(画像:THE BOSS BOOK 2,2006年10月25日, p.38, シンコーミュージックエンターテイメント)

SE-70が発売されて20年以上経過した。

現在の機種を使い慣れたギタリストはさすがにSE-70は使いにくいと思うかもしれない。しかし、音に関しては歪みがアナログということが幸いしてか、最近発売されているエフェクターと音のグッとくる度は変わらないのではないか。
音がクリアになればいいというわけでもなく、人間が気持ち良いと感じる音は20年経過してもそうそう変わるものではないようだ。
ここ数年のBOSSの発売機種、ボコーダーやビブラートなどを見てみると、SE-70がBOSSのひとつの到達点だったのではないかと感じる。

アンプシミュレーターはかなり違うと思います、アンプモデリングのCOSM技術は素晴らしい。

当時本体だけで7万弱したBOSS SE-70は今オークションで5000円から10000円あたりが相場のようだ。人気のMade in Japanこの辺りの価格が底でしょう(笑)さすがに3台目はいらないが、この音がこの価格で落札できる現在は幸せです。

以前これを持っていたバンドブーム時代のギタリストのあなた、久しぶりにどうですか?
また艶のあるリバーブを探している若いギタリストのみなさん、どこかで機会があったらこのリバーブと歪みを試してみてください、BOSSの凄さをあらためて感じると思います。

購入するときはアダプター付きのものを買うようにしてください、このアダプターは特殊です。へたしたらアダプターのほうが値段が高くなるかもしれません(笑)
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これまでのエフェクターについての記事はこちら

エフェクター | ガーってやればいいんだよ Rocks in my head

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※本文の多くのインタビューはこちらのBOSS BOOK2からの引用です。

最後までお読みくださいましてありがとうございました。






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