MAXON ギターアンプ GX30
80年代のギターアンプ MAXONのGX30のOVERDRIVEの音がまるでチューブスクリーマーなので実際のチューブスクリーマーと弾き比べてレビューします。
MAXONのギターアンプ GX30とは1982年ごろ発売された自宅用のギターアンプで、30WのGX30のほかにGX20、GX60、GX100とラインナップがあり、84年にはGX10とリバーブ付きのGX10Rという機種まで加わったようだ。
今回レビューするGX30のスペックは以下
MAXON GX30
- 定価:38000円
- 出力:30W ピーク60W 8Ω
- 入力:(LOW・HIGH)
- コントロール:OVERDRIVE(PULL ON)
Normal、MASTER、PULL BRIGHT、REVERB
イコライザー:BASS MIDDLE、TREBLE- 変格電圧・周波数:100V 50/60Hz
- 定格消費電力:25W
- 付属装備:ヘッドホンジャック、LINE OUT、EXP SPジャック
- 寸法:405(W)427(H)230(D)mm
- 重量:10.5㎏
参照:楽器カタログの世界 (MAXON 1983年 ギター・アンプカタログ)
中古で入手した画像のGX30はノブがボロボロだったので他のアンプから付け替えた、またフロントのMAXONのロゴのプレートが外れている以外はオリジナルとおもわれる。
チューブスクリーマーとのレビューの経緯
GX30のクリーントーンは、少しモコっとしてちょっと古い自宅用アンプという感じの音が出力される。
ストラトを繋いで調整したところMIDDLEとBASSをかなり下げたセッティングですっきりし、きらびやかな倍音はないが、わりとパリッとした音がする。
しかし、OVERDRIVEのスイッチをオンにするといっきに音が太くなり、立ち上がりがよく、前にでる音に変化する。
オーバードライブが好きな方はご存知かと思うが、名器チューブスクリーマーの製造はもともとMAXONが行っていた。
MAXONのオーバードライブOD808の海外版がIbanezのチューブスクリーマーTS808なのだ。
そのチューブスクリーマーを製造していたMAXONから発売されていたアンプに内蔵のオーバードライブだ、どんな音がするか弾き比べてみたくなった。
では早速弾き比べ。
用意したチューブスクリーマーはこちら、比較方法はGX30 のオーバードライブのスイッチを入れた状態と、オフにしたクリーントーンにそれぞれのチューブスクリーマーをとおした音で比較した。
- ・Fender Japan 90年前半のストラトキャスター
・TS-9 2nd Reissue
・TS−808 Reissue
・TS-808 35th Reissue
・TS-5
私もそうだが、チューブスクリーマーにハマるきっかけの多くの方はスティービーレイヴォーン(以下SRV)だと思われる。特にライヴ・アット・エル・モカンボの音は何度聴いても惚れ惚れするトーンだ。
あの音はSRVしか出せないが、あの音をイメージしながら音作りをする。
もし、万が一ストラト好きのギタリストでこのDVDをみたことがない方がいるのなら、是非見て欲しい。
一曲目のTestifyのイントロからもう、強烈な切れ味で池畑潤二さんのドラムのようにグイグイ腰にきます。
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酒好きのロック好きにはたまんない、AC/DCのテキーラ、マーシャルのクラフトビール、ポーグスのアイリッシュ ウイスキー、ヨシキやストーンズのワイン…しびれます。
TS−808 Reissue
- ・オペアンプJRC4558D艶なし
復刻版のTS−808。これはお気に入りの音。中域がぐっとブーストされ、トーンをあげると嫌味のない艶が加わるクリーミーな歪み。立ち上がりがよく弾いててとても気持ち良い。
GX30との比較
GX30のほうが若干レンジが広く感じるがよく似ている。
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TS-808 35th Reissue
- ・オペアンプJRC4558D艶なし 2基搭載
数年前チューブスクリーマー35周年で復刻されたオリジナルのナローケースのTS−808。
上記の通常のTS−808復刻版との弾き比べでは、歪みの音にほぼ違いはないと感じるが、35周年モデルのほうがすこしだけ元気がよく、前に出る印象。
しかしバイパス音には明らかな差があり、35周年モデルはエフェクトをオフにした状態でも、通すだけで太くなってんじゃないかと思うほど。
GX30との比較
こちらもTS−808 Reissue同様、GX30の歪みが若干レンジが広く感じ、ミドルが持ち上がるが、ほぼおなじ印象だ。
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TS-5
- ・オペアンプTA7558P 艶あり
通称ゴキブリと呼ばれる、インパクトはあるが、なんだか可哀想な90年代前半のサウンドタンクシリーズ。
スモーキーという表現がしっくりくる。SRVはソロをTS-9(オリジナル)でブーストしていたようだが、そのブーストさせる役割がこのTS-5にはあっているように感じる。中域がグッとくる太い音になる。
GX30との比較
同じチューブスクリーマーのトーンだが、GX30とTS-5はざらつきが異なる、やはりスモーキー。
TS-9 2nd Reissue
- ・MAXON基板
・オペアンプはTA7558P艶なし
・2000年頃の個体
最後に持ってきた順番が悪かった。残念ながら他のTSに比べこのTS-9 Reissueは弱い、しっかりチューブスクリーマーの音がしているが、、どう弱いかと言われると難しいが弱い。一枚なにか被っている感じがする。
TS-9もよい音ではあるのだが、ほかの機種が良すぎるのではないかと思う。
※ややこしいが、TS-9再発されたものにも数種類ある、現行のTS-9はMAXON基板ではなく、JRC4558D艶なしと少し違うようだ。
GX30との比較
GX30の方が上だ。抜け、レンジなど一皮剥けている
GX30とチューブスクリーマー弾き比べてのまとめ
GX30のオーバードライブの音はTS-808によく似ていた。
MAXON GX30が発売されていた82年頃チューブスクリーマーはTS-9のオリジナルが発売中、MAXONではOD-9のオリジナルが発売され、同じカタログに掲載されている。
ともに現在非常にプレミア価格で取引されている。
どちらもオリジナルは弾いたことがないが、GX30のオーヴァドライブの音がとても良いので、似たような回路と考えられる、上記のエフェクターにプレミアがつくのが理解できる。
そして、やはり、気になったのでGX30を分解しオペアンプを確認した。
JRC4558D艶ありの3000番台が搭載されていた。
やはり音が良いと言われている機種、部品などには理由があるようだ。
このMAXONのGX30などGXシリーズはあまりオークションなどで見かけないが、もし、音を出せる環境ならおすすめのアンプです。
今後スピーカー交換などして楽しもうと思う。
今回試したチューブスクリーマーをどれか選べと言われると、価格でのプラシーボもありTS-808 35th Reissueかな(笑)
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最後までお読みくださいましてありがとうございます。
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※ビンテージアンプ、楽器の取り扱い、分解にはそれなりの知識など必要になります。GXシリーズは30年前のアンプです。古いものは音がでない可能性もありますので、オークションなどでの落札は説明文などをよく読んで落札してください。