エフェクター・機材

TS5(チューブスクリーマー)の音とオペアンプTA75558P

2015-08-01

アイバニーズ TS5 IMG 5896

アイバニーズ サウンドタンクシリーズ TS5

いま40歳前後のギタリストにとってチューブスクリーマーの最初の印象はこの機種ではないかと思う。

BOSSのTURBO OVERDRIVEが最初のOVER DRIVEで、次に高校を卒業後しばらくして購入した1台。
値段が手頃だったことと、チューブスクリーマーというネーミング、BOSS以外で何かOVERDRIVEがほしいと思い、いくつかDODやグヤトーンなども試してこれに決めた記憶がある。

高校生の頃購入したP90のピックアップが載ったレスポールジュニアタイプのギターとの相性はそれなりに良かったが、その後初めてFender USAのストラトを購入して、このTS5につないでTONEを上げた時を忘れない。

なんていい音なんだと思った。

その後ある時期スティーヴィー・レイ・ヴォーン(以下SRV)にハマり、ちょうどTS9が復刻されるなどして、何台かTS9を購入したがTS5の音の方が私フカジの好みだ。

久しぶりに引っ張り出して比べても、TS5の音が体に染み付いている。

恐らくチューブスクリーマーに興味が湧く多くのギタリストはSRVが好きになり、同じ音が出したいということからと思うが、TSシリーズを世界に知らしめたSRVがTS5を使用したという資料がない。

TS5の正確な発売開始時期はわからないが91年ごろで、SRVは1990年8月27日に事故で亡くなった。

ひょっとしたらアイバニーズよりSRVの手元にサンプル機などは送られていたかもしれないが、使用する前、もしくは使用したことが表に出る前に他界してしまった。

ハードでアグレッシブなパフォーマンスのSRVなのでTS5のプラスチック個体(初期のサウンドタンクシリーズはダイカスト製)では、毎ライブごとにケースが割れてしまいそうだが、亡くならなければ使用していた可能性は非常に高い。

以下はJUSTY-NASTYや布袋さん山下久美子さんのサポートなどでシャープなプレイが際立つ辻剛さん、数々のセッションで活躍されBOOWYなどのスコアの採譜でお馴染みの西畑勝さんが、TS5が現行機種であった1997年頃のギター・マガジンでの試奏レビューです。おふたりともオリジナルのオールドの音と比べたうえでTS5をべた褒めです。

■辻 剛さんのレビュー

やっぱりこれはいいですね。ナチュラルで、ピッキングのニュアンスが忠実に音にでてすごく気持ちいい。僕はスイッチが小さいタイプの初期型のチューブスクリーマーも持っているんです。でもこの現行(※TS5)の機種もすごくいい。バッチリですね。弦のタッチニュアンスまでよく聴こえしトーンのバランスもいい。これは完璧でしょう。ま、ルックス的に好き嫌いはあるだろうけど、誰にでもおすすめの1品です。

■西畑勝さんのレビュー

僕も同じものを持っているけど、やっぱりこれはすごくいいね〜〜中略〜〜オールドものはレイボーンもつかっていたけし人気があるけどこの現行モデル(TS5)もほとんど変わらないと思う。すごくいいエフェクターだと思う。

ギターマガジン 1997年10月号 P51 リットーミュージック社

TS5のオペアンプTA75558P

アイバニーズ TS5 IMG 5909

SRVはTS808よりTS9のほうが好みだったということである。
(参照:THE OVERDRIVE BOOK2 P42)
TS9のオペアンプは下記のようにいくつか仕様変更されておりTA75558Pが搭載されていたこともある。

■TS9のオペアンプについて

オペアンプに関してはTS808と違い、製造期間をとおしていくつかの種類を段階的に使い分けている。まず最初はJRC2043DDが使われた。次に東芝製TA75558、そしてTS808でも使われたJRC4558Dへと変更され最終的には再びTA75558に落ち着いた。
THE OVERDRIVE BOOK2,2008年4月15日, p.42, シンコーミュージックエンターテイメント.

私の使用していたTS5のオペアンプはTA75558Pで、後に購入したTS9の復刻機種にもTA75558Pが搭載されているが、よくみると違うものであった。

アイバニーズ TS5 IMG 5911

※右がTS9

TS9の復刻機種も何度か変更が行われているようで、その後JRC4558Dになっているという。

そのJRC4558Dは艶あり、なしなど音の違いがあると言われているが、TS5についているオペアンプTA75558Pも音の良さに何らかの影響があると思われる。

好みの問題、気のせい、ギターとの相性などあると思うが、20年前に直感で良い音と感じ、久しぶりに弾いてもやはり良い音と感じた。

TS5は若干歪みが深くその分レンジが広く感じ、TONEを上げた時の艶加減は私のストラトに合わせると、なんだか胸に引っかかるブルージーな音になる。

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TS5の分解方法

※分解は自己責任でお願いします。

TS5は裏のネジを外しただけでは基板の表が見えない

アイバニーズ TS5 IMG 5902
アイバニーズ TS5 IMG 5903

基板がとれない原因はボリュームなどのノブであるため、引っ張ると抜ける。強く引っ張ると壊れる可能性が高い、慎重によろしくお願いします。

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ノブを抜くと基板の確認ができます。それにしてもフットスイッチがチープ

アイバニーズ TS5 IMG 5906

内部スペースに余裕のあるTS5はここから改造などするにも適している機種なのかもしれません。
オークションでも比較的安く購入できるので、復刻のTS9でちょっと満足いかない、、なんて思っている方いかがですか?

アイバニーズ TS5 IMG 5895

最後までお読みくださいましてありがとうございます。



 

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