布袋寅泰プロデュース作品第2弾
山下久美子布袋プロデュース作品3部作第二弾、POPです。
前作「1986」から更にPOPでパワフル、布袋炸裂な音と山下久美子さんのキュートなボーカルが完全に融合した名盤。
※前作「1986」の記事は→こちら
時期が同じぐらいということもありますが、私は山下久美子版のビートエモーションという認識です。
次から次にワクワクするメロディーとビートが目白押しで、ゆったりとして聴こえる曲も非常にビートを感じ、ある時期もう何度聴いたかわからないぐらい夢中で聴いたアルバムです。
引き続きBOOWYから松井常松が参加
前作では、BOOWYからリズム隊二人が参加していましたが、今作は松井常松さんのみの参加です。
山下久美子作品へのBOOWYメンバーの参加はいろいろあったようですが、松井さんはその後も布袋さんがソロになった時、同じ方向にいくほど布袋さんと意気投合したところは興味深いです。
ミュージック・スクエアでお酒を飲んで距離が縮まったと話していましたが、この断酒ブログを書いている私としてはなんだか人ごととは思えないような。
若いころのお酒は強力なコミュニケーションツールです。
酔っぱらっていっしょにバカをすると一気に仲良くなる、以下の布袋さんのプレイヤー連載からの引用エピソードを見て私は自分の若いころを思い出しました(笑)
私も21歳ごろ昼間見たらとても汚い池に酔っ払って入ったことがあります…
若かりし日々の布袋さん、松井さんのエピソード、あ、まこっちゃんもダイビングと書いていますねw
登場人物は俺とベースの松ちゃんとドラムのまこっちゃん。 広島で「今晩は軽く色々な話でもしながら飲もうか!」って事になって、街にくり出したのね。 松ちゃんていう人はこと酒に関しては自虐的な所があって、俺とハマるといつもとんでもない事が起こるという。〜中略〜
帰り道、街中の電柱やらかんばんとけんかして、ホテルにつく頃にはこういう客はお断りの代表的な人達になっていたわけ。 フロントの横に池があって、まず俺とまこっちゃんがダイビング。 松ちゃんが入らないっつっておこったら、彼も見事なダイビング・プラス・スイミング…。
引用:月刊Player 1986年 布袋寅泰 武道館ライヴを終えて、夏のイベントに…。 プレイヤーコーポレーション
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「POP」について
・1987年7月21日発売
1. WHY?
2. LILITH(British Fantasy)
3. Happy Birthday...to me
4. LADY ××× POP!
5. Moonage-Rhapsody
6. TIRED OUT
7. LOVE & PEACE
8. BIBBIDI-BOBBIDI-BOO
9. STAY
10. Rock me Baby
11. BULEZY
- ギター:布袋寅泰
- ドラムス:山木秀夫
- ベース:松井恒松、浅田 孟
- スティック・ベース:VAGABONDE(バカボン鈴木)
- プログラミング:松武秀樹、鈴木浩之
- キーボード:ホッピー神山
- レコーディング・ミックス:マイケル・ツィマリング
- サウンドプロデュース:布袋寅泰
最近やりたいなと思うのは,ブロンディとかラモーンズとか2トーン系とかNW初期のパワーポップ方向。 いいバンド沢山いたもんね。 ガシガシ8ビートみたいな感じで押しまくる的な余念が無いやつやりてえ。 決めとかあんまし無くてシンプルなやつ。 そんでいて胸がやたらいたいくらいポップっつうサ。(ここでさっきまで後ろにいた水前寺清子さんが降りた。)
月刊Player 1987年 布袋寅泰 プレイヤーコーポレーション
このアルバムのレコーディング前上記のようなことをプレイヤーの連載の中で書いていて、アルバムはまさしく布袋さんの発言を具体化した曲が次々でてきます。パンクでラウドな音像もあるが、非常にPOPでアルバムタイトルそのもの、音のすべてにマジックがかかっています。
POPピックアップトラック
1.WHY?
回転速度を落としたLILITHのイントロダクションに続き、ハードなタムに空間が歪むフィードバックが絡まる。シンプルだがこの上なくカッコいいイントロからグッと惹きつけられ、ブンブンうなるベース、腰にくる池畑ビートにGod Save the Queenのリフを組み込んだピストルズへのオマージュ的な8ビートナンバー。
F#mのリフのキレやLONDON GAMEのような間奏はまさに布袋パワーポップ。
多分基本いっぱつ録音?と思われるこのバージョンもたまらなくカッコイイがパンク感が増すライブがさらにカッコイイ。
2.LILITH(British Fantasy)
ドリーミーでハッピーが空を突き抜け宇宙まで行きそうな絶頂な曲。
この曲は山下久美子布袋作品のひとつの頂点。
この曲ができてすぐ、布袋さんは山下久美子さんに「最高の曲ができた」とかなりテンション高く告げに行ったと何かで読みました。
歌メロのAメロはキラキラ流れるようで良いのだがサビ以上にギターリフがインパクトがあり、私がギタリストとだからか、もうギターリフがサビに聴こえます。
この曲はギターリフが快感の重要なポイントで、スタジオバージョンではリフをハモっているのだがライブでは布袋さんのギター一本。
当時のピッチシフターにインテリジェントなハモリはあるにはあったらしいが布袋さんは使っておらずハモリなし、LIKE A CHILDのライブバージョンでハモリがないのは気にならないが、この曲は寂しくなります。
私はこのリフにハモリのパートが無いと快感が半減してしまいますのでライブではなくこのスタジオバージョンが好みです。
3. Happy Birthday...to me
ホッピー神山さんの音色が印象的なパワーポップ。
WHY?にLILITHがきてこの曲と、久しぶりに聴いてもやはりこのアルバムは名盤です。
(紹介するアルバムぜんぶ名盤名盤と言い過ぎで節操無くてすみません)
いつか布袋さんではないギタリストが演奏している山下久美子さんのライブに行き、この曲が始まったのですが、違いに落胆してしまいました。(…すみません、布袋さんのタイム感が好きすぎるのです)
シンプルこの上ないフレーズやバッキングですが、こんなサラっと弾いたようなギターにマジックが沢山詰まっています。
4. LADY ××× POP!
冒頭で布袋さんのプレイヤー連載からの文を引用した中にある2トーン系。スカのカッティング、クリーントーンのソロと気持ち良い。
布袋さんが多用するメジャースケールはセンスが無いギタリストだと幼稚に聴こえるのだが、、布袋さんが奏でるとやっぱりマジックがかかってます。
5. Moonage-Rhapsody
1986の「REINCARNATION」〜「On Sunday’s 1986」の続編のような曲、続きで映画を見ているような錯覚を起こします。
6. TIRED OUT
ファンクなリフ、ドラマチックなサビのメロディ。
久しぶりにイントロを聴いて最初は奇妙に聴こえる布袋さんの声のSEやコーラスが何度も聴くうちにカッコよく聞こえてきたことを思い出しました。
7. LOVE & PEACE
ラモーンズ的リフ、ブンブンうなっているベースなど「WHY?」同様パンクなポップ。
ミドルテンポでギターソロが突き抜けそうな気持ちいいビートスィートな曲。
8. BIBBIDI-BOBBIDI-BOO
おとぎ話を聴いているようなファンタジックな曲。
スパイ映画的なギターソロやキーボードの音色からか、何故か初めてXTC変名の「デュークス・オブ・ストラトスフィア」のアルバムを聴いた時にこの曲を思い出しました。
また、私(というかひょっとしたら私の世代の布袋ファン)は布袋さんのセンスから受けた影響がとても大きいためこのタイトルの単語やSUPER-CALIFRAGILISTIC-EXPIARI-DOCIOUS、英国的なものなどと並んで「POP」という言葉から連想するものの、ほぼすべてに布袋さんが何かしら関連付けされインプットされています。
9. STAY
サビのバッキングのカッティングのシンプルだがハリのあるビートは布袋さんしか出せない。ソロでは空間を埋めるフレーズのあと「くすぐったく」なるミュートが聴覚を刺激して脳内でハーモニクスを映像に変える「胸がやたらいたいくらいポップ」。
10. Rock me Baby
吉川晃司さんの「BIG BAD BABY BASTARD」に続き、GLORIOUS DAYSのようなリフ。
、、GLORIOUS DAYSのほうがあとですが。
JUST A HERO から通ずるエンディングテーマのイメージの曲。
サレンダーなどもそうですがメジャーキーの曲でギターソロがマイナーになる展開はよりドラマチックに演出されて聴こえます。
11. BULEZY
タイトルどおりブルージーでジャジーなインスト
最高にロックンロールでとびきりハッピーなカップルが過ごした時間がこのアルバムの音に刻み込まれています。
更に濃度が高まり次作ベイビーアローンへ熟成されていきます。
山下久美子 布袋寅泰の出会い「BLONDE」の記事は→こちら
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