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吉川晃司 「MODERN TIME」COMPLEXへきっかけの一枚、また後藤次利からの影響について考えてみる (布袋寅泰BOOWY時代の参加作品 )

2014-11-05

MODERN TIMEとは

吉川晃司 ModernTime

MODERN TIMEとは、吉川晃司さんの4枚目のアルバムで、ギターで布袋さんが参加。このアルバムからCOMPLEX結成までに3枚のアルバムをリリースしているが、3枚すべてに布袋さんが参加している。

吉川晃司さんがデビューした頃、私はロックもアイドルもよくわからない、ただ音楽が好きな小学生だったので、ザ・ベストテンの常連であった吉川晃司さんのことを、アイドルと捉えており、またモノマネなどで、足を振り上げるアクションを取り上げられ、完全にテレビにでる芸能人、アイドル歌手という認識でした。

COMPLEX結成の頃は中学生で、なんとなくジャンル分けをするようになり、ロックはカッコイイなんていう、今考えれば子どもじみた感覚で音楽を聴いていたので、布袋さんが次のパートナーに選んだ相手は吉川晃司さんと初めて何かで読んだ時に、なんでアイドルと組むんだ??と思ってしまいました。

もちろんその頃は、吉川さんのアルバムに布袋さんが参加していることも知らず、シングルの曲をテレビで見るぐらいで、このアルバムもリアルタイムで聴いていません。

次作の「A-LA-BA・LA-M-BA」は、たまたま親戚のお兄さんからテープを貰い、聴き狂っていたのですが…

布袋寅泰と吉川晃司の出会いについて

ミュージック・スクエアに吉川晃司さんがゲストで出演した時に、出会いはギタリストの鈴木賢司さんからの紹介ということを話していました。

ギタリスト 鈴木賢司

鈴木賢司さんとは80年代に英国へ活動の場を移した布袋さんなどと同時代のミュージシャンで、坂本龍一「未来派野郎」、尾崎豊「Scrambling Rock’n'Roll」やPSY・S のアルバムなど多数に参加。特に坂本龍一「未来派野郎」の「Broadway Boogie Woogie」は初めて聴いたとき布袋さんが弾いているのかと思ったほどハードなアーミングプレイが聴けます、必聴。
話を吉川さんに戻します。85年ごろ以下のような発言があり、MODERN TIME以前から音楽的にも気になっていたことがわかります。

知り合いになったその日に飲みに行き意気投合したようで、友人として深い付き合いをしていたようです。

僕は吉川君が大好きでして・・・これからホント面白くなっていきそうな気がします。 あとやっぱゼルダが好きです。 レベッカも期待してます。〜布袋寅泰 PLAYER 1985年4月号〜


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後藤次利からの影響を推測

MODERN TIME

■1986年2月22日発売
1. Mis Fit
2. キャンドルの瞳
3. Modern Time
4. MISS COOL
5. Drive 夜の終わりに
6. 選ばれた夜
7. BODY WINK
8. ナーバスビーナス
9. サイケデリックHIP
10. ロストチャイルド

  • プロデュース:木崎 賢治、梅鉢康弘
  • アレンジャー:後藤次利
  • ドラムス:青山純、山木秀夫
  • ベース:後藤次利
  • ギター:布袋寅泰、北島健二
  • プログラミング:松武秀樹
    ⇒この頃デモテープのシンセベースプログラミングを手伝ってもらっていたとのこと
  • キーボード:国吉良一、富樫春生
  • サクソフォーン:矢口博康 、Jake.H.Conception

BOOWYの「JUST A HERO」が1986年3月1日にリリースで、同じ時期アーバンな音に、私は非常に近い感触を感じます。

ギタリストのみならず、プロデューサーとして貪欲に吸収し成長していたこの時期の布袋さんに「MODERN TIME」でのレコーディングで出会った、後藤次利さんの影響も少なからずあると思われます。
※中島みゆきさんの作品が先かもしれません

後藤次利さんは、20代前半で世界の舞台を踏んだ、卓越したベースプレイヤーであり、また、原田真二さんの「シャドーボクサー」で編曲デビュー後、沢田研二さんの「TOKIO」でレコード大賞編曲賞、デジタルサウンドをアイドル歌謡に取り入れた80年代から現代まで、革新的な作曲家アレンジャーです。

エンターテーメントはダメなど思わず、ロックからアイドルまでなんでもOKというこれまでの布袋さんのスタンスに通じるものを感じますし、なにより後藤次利さんの経歴のサディスティックミカバンドの活動が、布袋さんにとっては非常に興味深かったのではと推測します。

サディスティックミカバンドの「黒船」「HOT!MENU」のプロデュースはあのクリス・トーマスです。

クリス・トーマスは、布袋さんつながりでいくとロキシー・ミュージックの「For Your Pleasure 」セックス・ピストルズ「勝手にしやがれ」など、英ロックのそうそうたる作品を手がけています。

「黒船」の頃は後藤次利さんは参加していないのですが、後藤次利さんが参加した「HOT!MENU」直前にはロキシーミュージックの前座でイギリスツアーを行い後藤次利さんのプレイは日本人にしては背が高すぎるとルックスと合わせて大絶賛されています。

そのような後藤次利さんに接し、自分のビジョンを描いたのではと勝手に想像します。

※ライブの模様を収めたアルバム「ライヴ・イン・ロンドン」は、録音状態はあまり良くありませんが、後藤次利さんのベースが際立っており、高橋幸宏さんとのコンビネーションは非常にゾクゾクします。


そんな、大先輩の後藤次利さんがアレンジということもあり、山下久美子「BLOND」と同様、出るところはかなり出るが楽曲を引き立てるプレイが堪能できます。

MODERN TIMEピックアップトラック

■1. Mis Fit

都会的なシーケンスに性急なビートがまくしたて、浮遊感あるサックスのフレーズが重なり80年代の東京のイメージが浮かんできます。
エンディングのギターは布袋プレイ爆発、鈴木賢司さんの「Broadway Boogie Woogie」に負けじとアームが折れそうな激しいプレイをしています、フェイドアウトせずにもっとこのソロが聴きたい。

■4. MISS COOL

サスティーンの効いたフレーズ、ファンク的なビートはやはりJUST A HEROアルバム全体や「MISS」という言葉からもミス・ミステリー・レディーの雰囲気と重なります。「都会的で夜の曲」

■7. BODY WINK

このアルバムで一番明るいパワーポップな曲、布袋さんっぽくないアメリカンハードロックな音なので、北島さんかと思いますが、もし布袋さんが弾いていたら、ピストルズっぽくなっていた気がします。個人的に布袋バージョンが聴きたい。

■9. サイケデリックHIP

強靭なデジタルビートで「WIND BLOWS INSIDE OF EYES」にも影響を与えているのではと思われます。COMPLEXのライブでも演奏されていたようで、AUTO-MODを彷彿させる布袋さんのクレイジーギターも刺激的ですが、この曲で聴けるUVメーターを振り切るような後藤次利さんのベースプレイはミカ・バンドの「ライヴ・イン・ロンドン」と同じ気迫を感じます。

あらためて聴き直しましたが、COMPLEXへの道が見えます、しかしやはり後藤次利さんのプレイが際立っています。
音的に時代を感じる部分はありますが、実験的な部分、メロディの良さもあり日本のロックの名盤の一つです。

最後までお読みくださいましてありがとうございます。

※布袋寅泰関連のエフェクター、参考にしてください
⇒BOOWY時代の布袋寅泰使用機材




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