エフェクター・機材 バンドブーム

BOSS MG10 VS Roland CUBE LITE

2015-08-20

Roland CUBE LITE 評価IMG 6443 のコピー

BOSS MG10とは?

Roland CUBE LITE 評価IMG 6423

いま40代のギタリストには懐かしいギターアンプ、BOSS MG10。

発売されたのは1989年、THE BLUE HEARTSのTRAIN-TRAINやプリンセス・プリンセスのDIAMONDSがヒットしたバンドブーム頂点の年、その後BOSSブランドではギターアンプが発売されていないので、BOSS唯一のギター・アンプである。
※ヘッドホンアンプやモニターアンプは発売されているようだが一般的なギターアンプのくくりです。

初めてBOSS MG10を見た時にジャズコーラスのちっちゃい版のアンプだと感じたのを思い出す。カタログをみるとJC-20が発売される3年ほど前に発売されている。
少し斜めを向いたバッフル板や角補強、ステレオスピーカーの外観でジャズコーラスを連想するデザインだが、コーラス機能がついていないのでジャズコーラスとは異なる。

以下当時のBOSSのカタログから引用した文です。

Roland CUBE LITE 評価IMG 6452

全身にあふれるLAスピリットを聴いて欲しい。

ギタリストのため心の底からロックが好きなギタリストのためにぜひともBOSSからギター・アンプをリリースして欲しい。MG10はこうした数多くのギタリストたちからBOSSに寄せられた熱いリクエストに応えて誕生したアンプです。
そのため、このMG10の開発設計は世界のロックシーンの震源地であるロサンゼルスで、しかもギターサウンドを知り尽くしたクラフトマンの情熱と耳とノウハウを贅沢に集結して生まれました。
コンパクトアンプではあってもそのルックスに、そのテイストにそして何よりもアンプの本質であるそのサウンドと表現力にロックの本場LAの熱く激しいスピリットを凝縮して。親愛なるロックギタリストたちに捧げます。

1989年 BOSS カタログ p.4,ローランド株式会社 ボス株式会社.

なんと、ロスで開発設計されているコンパクトアンプだった、80年代中頃からLAメタルとかが流行っていたからかな。
カリフォルニアの括りでいけばMESA BOOGIEとかあるが、とにかくメタルやハードロックなギタリストをターゲットとしている売り方のアンプで、ジャズコーラスの流れであるというような売り出し方はしていない。(くどいようだがコーラスがついていないのであたりまえだが)

久しぶりにBOSS MG10を見るとなぜか中学生の頃に好きだった女の子や高校生の彼女を思い出し、あれから20年以上の月日が流れたとか考えるとなんだかムズ痒くなる。

個人的な思い出が溢れ出しそうだが、今回はこの懐かしのBOSS MG10と、ショッピングサイトなどで評判のよい現在のアンプRoland CUBE LITEを比較してみる。

早速かんたんにスペックを紹介。

BOSS MG10 VS Roland CUBE LITE

・BOSS MG10 スペック

Roland CUBE LITE 評価IMG 6451

  • 発売:1989年
  • 出力:10W 
  • スピーカー:5インチ☓2
  • コントロール:POWERスイッチ、GAINつまみ、VOLUMEつまみ、MASTER VOLUMEつまみ 、BASSつまみ、middleつまみ、TREBLEつまみ、PRESENCEつまみ
  • 備考:WARPスイッチがありGAINブーストがかかる
  • 定価:14,000円

・Roland CUBE LITE スペック

  • 発売:2013年
  • 出力:10W(ステレオ・スピーカー3W×2+サブウーファー4W)
  • スピーカー:3インチ×3
  • コントロール:POWERスイッチ、アンプ・タイプ・スイッチ、DRIVEつまみ、VOLUMEつまみ、BASSつまみ、TREBLEつまみ、CHORUS/REVERBつまみ
  • 備考:COSMによる迫力のギター・サウンド、i-CUBE LINKでiPhoneと連携、STEREO AUX INで外部音源とギター音をMIXできる
  • 定価:オープン価格

スペックをぱっとみたところほぼ変わらないが、歳の差が24歳である、イキのいい大学生と枯れかけのおっさんを比べているようなものだが、はたしてその性能差は?

私フカジ所有のFENDER ストラトを突っ込んで弾き比べします。

※大きさ比較のため、画像の後ろはLPサイズのレコードジャケットです。
Roland CUBE LITE 評価IMG 6427

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比較 クリーン

クリーン BOSS MG10

Roland CUBE LITE 評価IMG 6442

GAINを下げてVOLUMEをあげて、MASTER VOLUMEで調整するとクリーンサウンドがでる。
非常にハリのある音。真空管のきらびやかさまではいかないにしろ、艶もあってガッツのあるロックなクリーンサウンドが出力される。
MIDDLE、PRESENCEまであるので、ちょっと曇らせたイコライジングで、どこかにジャズ・コーラスのような音が出るポイントがありそうです。
このクリーンはかなりいい音。

クリーン Roland CUBE LITE

Roland CUBE LITE 評価IMG 6437

クリーンサウンドはJCのモデリング。

小さいので音圧はもちろんないが、JCを使ったことがある方ならすぐにイメージできる安定の音。
自宅でジャズコーラスな気分が味わえて、ちょっとコーラスのつまみをあげるとステレオで広がります。

比較 歪み

歪み BOSS MG10

Roland CUBE LITE 評価IMG 6431

小さな音では低音がでません、そしてGAINブーストのワープスイッチはブーミーでモコっとする。
しかしVOLUMEをあげるとと箱なりし始め、多彩なイコライザーでポイントを探すと結構気持ちよい音がでます。
ワープスイッチは使わない方がよいと思う。
それなりの気持ちよい音を出すには自宅では爆音になるので、住宅事情により厳しいかもしれない。
少しCRUNCH気味にアンプで調整して、BOSS SD1 スーパーオーバードライブでブーストするとかなり気持ちよい。
また、BOSS DS1 ディストーションでNIRVANAっぽくもいける、BOSSが開発したアンプだけあって、BOSSのコンパクトエフェクターとの相性はよい。
イコライザーが多彩なので、自分の欲しい音を探すには時間がかかるかもしれないが、Marshallなどを前にした時も悩まないよう自分の欲しい音をつくる勉教になる。

歪み Roland CUBE LITE

Roland CUBE LITE 評価IMG 6440

CRUNCHとEXTREMEがありどちらもイコライザーは12時あたりで何も考えずによい音がでる。これはモデリング技術「COSM」の賜物だ。

特にEXTREME。

ギターをシールド一本でRoland CUBE LITEにつなぎ、エフェクターいらずでズンズンくる歪みが低いVOLUMEでも出力され、しかもフィードバックまでモデリングされている。
ギターが上手くなったと錯覚してしまうが、これは上手く聴こえるように進化したBOSSの技術。

「COSM」とは1995年のRoland GP100に初搭載された「Composite Object Sound Modeling」という技術の略

ある部分をモデリングするのに適した方法はそれぞれあって、それを使い分けていくことなんです。
ギターアンプは様々な部品から構成されていますがBOSSではそれぞれの部品レベルまで落としこんで精密なモデリングを行います。
その際に各部品に対しての同一のモデリング手法では上手くいかないので部品毎にあった最適なモデリング手法を用いています。
例えば真空管の歪み特性をモデリングするのとスピーカーの特性をモデリングするのでは違った手法でモデリングを行っているわけです。

参照:ボス株式会社 高橋政雄氏 2006年 THE BOSS BOOK2 P57 シンコーミュージックエンターテイメント

Roland GP100は、キング・クリムゾンのロバート・フィリップやオフスプリングのデクスター・ホーランドなどのギタリストが使用するオークションでも根強い人気の機種だ。

総評 BOSS MG10 VS Roland CUBE LITE

音量は明らかにBOSS MG10がでかいがレンジが広いのはRoland CUBE LITEで24年の技術の進歩。
誤解を招きそうな表現だが、BOSS MG10はギターアンプでRoland CUBE LITEはエレキギターの音がでるオーディオアンプという感じだ。

この2つのアンプの共通点。
ともに現在40代のバンドブーム世代ギタリストがターゲットにされている。

私たちの世代は第二次ベビーブーム世代などと呼ばれ人数が多い。ファミコンにしろバンドにしろ流行れば爆発するのだ。

十代の頃、自宅で親にうるさい!!などといわれながらFENDER JAPANのテレキャスやグレコのレスポールをBOSS MG10にツッコミかき鳴らした。
現在は嫁に気を遣いながら、休日にリビングでRoland CUBE LITEに突っ込み、JCモデリングでソロギターなど弾き聴かせながら、誰もいない時EXTREMEポジションでギターをフィードバックさせストレス発散。

若い十代のギタリストはこのブログは読んでいないと思うが、初心者のうちはRoland CUBE LITEのようなよく出来たギターアンプは、本気でバンド活動などをすることを目標にしているなら手にしないほうがいいと思う。

でもまぁ、センスあるギタリストは新しい技術から新しい音を産むから一概には言えないが、BOSS MG10のようななかなか思い通りにならないアンプで試行錯誤しながら自分の音を見つけていくほうがギタリストとしての技術は向上する。

モデリングの技術は発達しても、モデリングされる側のアンプ、ギターのよい音などは何十年もあまり変わっていない。

Roland CUBE LITE 評価IMG 3598

Roland CUBE LITEはリビングにも馴染み、休みの日にちょっと子供にギターを弾いて聴かせるにはちょうどよいアンプ、パッケージの箱に印刷されている画像そのままだ(笑)

Roland CUBE LITE 評価IMG 6443

BOSS MG10とRoland CUBE LITEを比較してパッと聴きよい音はRoland CUBE LITEだが、一番気持ちよかったのはBOSS MG10にBOSS SD1をつなげ爆音で自分の好きなように調整した時だった。音楽が引き起こす快感のマジックはこのへんにあると思う。

もしMG10がジャズコーラス、JC-10として発売されていれば、、

BOSS MG10は1989年から数年後には見なくなった、それは1992年にJC-20が発売されたことも関係していると思うし、MG10があったからJC-20ができたのかもしれない。

JC-20いまでも価格が落ちておらず、私達バンドブーム世代が懐かしがって購入しているのではと考えられる。

BOSS MG10が短命だったのは音量、そして時代。

ロサンゼルスではあまり気にならない音量も、日本の住宅事情ではつまみ半分ぐらいで苦情がきてしまう。
小音量では薄っぺらい音なので、BOSS MG10の本領を発揮するにはVOLUMEをかなりあげないといけない。
その点、24年後に発売された小音量で迫力のある音がモデリングされているRoland CUBE LITEは優秀だ。

もうすぐJC-40が発売されるが、家で40wなんて音出せない(笑)

そして、時代。
もともとLA、ロサンゼルスで設計開発はウリだったのだろうが、開発当時主流だったロサンゼルスのメタルやハードロックは、このBOSS MG10が発売された頃にすでにシアトルで芽生えていたグランジムーブメントとカート・コバーンが90年初頭にぶっ壊してしまった。

まさかメタル・ハードロックが全盛の80年代後半にグランジが世界を席巻するなんて、シアトルでやってる本人達も思いもしなかったのかもしれない。

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BOSS MG10をJC-10としてコーラス機能をつけて売り出していたら、未だに根強い人気があったのではと妄想する。ちょっと時代にのれなかったギターアンプ。
でもBOSS MG10のクリーンは快感のスイッチにふれる本当にいい音がします。

最後までお読みくださいましてありがとうございます。

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