ZIGGYと松尾宗仁
とても華があるイメージだった。
派手な衣装のいいオトコ。シンプルでPOPなリフやフレーズ、時にブルージーなプレイを聴かせるオールドギター好きというイメージだ、そしてお寺の息子さん。
ZIGGYは主にボーカルの森重さんと戸城さんが曲を書いていたので、ハードで泥臭いがどうしてもこの2人のソングライティングでPOPになり、松尾さんはコテコテのブルースなんかが好きなんだろうなと思っていた。
しかしZIGGYのあとのZNXというユニットで、ZIGGY以上のPOPなシングルをリリースして、「なんだ、めちゃめちゃPOPなの好きなんだ」と驚いた記憶がある。
ZIGGYが売れた要因は森重さんの卓越したボーカルとBOOWYにも匹敵するPOPな楽曲にあると思うが、松尾さんのギターもコピーしてみると、わりと簡単なのに布袋さんばりに気持ち良い。
、、、ギターが気持ち良いというか、バンドアンサンブルが気持ち良いのか、戸城さんのベースラインにのると普通のロックンロールのフレーズが気持ちよくなったり、リズムアレンジが快感だったり、I'M GETTIN' BLUEやSING MY SONGなんてコピーしてバシッと決まった時、バンドメンバー全員がこのままプロにいけるんじゃないかと勘違いしてしまう麻薬のような楽曲だった。
そしてこの2曲はほぼ同じようなコード進行なので、片方覚えると両方弾けるようになる1粒で2度おいしいようなお得な2曲だ。
松尾さんのインタビューを読んでみると、お寺の息子さんらしく、高校生の頃にオールドの62年フェンダーテレキャスターを購入してもらうという恵まれた環境にあったようだ。
松尾宗仁インタビュー
ーーー今度は何を?
あのね、すんげークソガキなんだけど、フェンダーのテレキャスター
ーーーウソ!?
それもオールドを買ってもらった。
ナチュラルのやつで、キース・リチャードもジョー・ペリーも使ってて親に「これ!!これじゃないとダメなんだよ!」とか言ってね(笑)
よく覚えていないけど、俺のことだから口八丁、手八丁で親をだましてね、
買ってもらったんだと思う。それから真剣に練習しましたね。引用:松尾宗仁 クローズアップインタビュー 別冊宝島1989 EG VOL1 P70 〜71 宝島社
私の経験から、ギターはワインといっしょで、よいものを知らないと悪いものがわからない。
いつも良いギターを弾いていると、音の良くないギターを弾いた時に「なんだこれ?」って思うが、あまり良くないギターをいつも弾いていて、たまに良いギターを弾いても、そのギターの良い鳴りがわかりにくい。
高校生で本物のテレキャスターなんて弾いていたら耳が肥えて、もう安いギターなんて使ってられないと思う、良いギターの音を聴き分ける耳が少年時代より養われたのだと考えられる。
松尾さんはテクニック云々のはなしはあまり語れないが、どう努力しても得ることのできない人には得られない、ギタリストに大切な色気や華がある。
1989年3rdアルバム『NICE & EASY』頃の機材
メインギター
- FERNANDES ファイヤーバード
- ギブソン・レスポール・ジュニア(60年)
- フェンダー・ストラト(73年)
- ギブソンファイヤーバード(76年)
エフェクター
- ディレイ3系統
- MXR ディストーション
リンク- ワイアレスシステム4台
アンプ
- 1959マーシャル(69年)
- JCM1959 マーシャル
- フェンダーデラックスリバーブ
- スーパーツインリバーブ
使用弦
- アーニーボール 0.10〜0.46
ピック
- FERNANDES・オリジナル・ティア・ドロップ
- ギブソン ミディアム
人生の格言
もらえるものはもらっとけ!!
最後までお読みくださりありがとうございました。