画像:シアトルの音楽博物館「EMP」にて撮影 カートコバーン使用のBOSS DS-1の画像
カートコバーンとニルヴァーナ
60年代末にジミヘンがギターで革命を起こしたが、90年代はカートコバーンがギターに対する感覚をガラリと変えた。
初めてニルヴァーナを聴いた時、なんて痛切で気持ちのよいギターの音なんだろうと思った。
90年代の初頭は布袋さんに影響を一番受けていた頃で聴く音楽はすべてイギリスの音、アメリカの音はカラッとしすぎてなんだか苦手、と若さゆえの偏りっぷりだったところに、ある日流れてきたSmells Like Teen Spirit。アルバムNEVER MINDは1枚まるっと聴くと痛くて痛くて疲れてしまう。
ただ、ギターの音が気持ちよく、疲れるくせに毎日聴いていた、その後発売されたIncesticideはCDを購入した記憶があり、Incesticideの方がわりとPOPで好きだった。
布袋さんがあまりにも好きすぎて、自分のバンドでのオリジナルは脱布袋を心がけていた頃にDIPのヤマジカズヒデさんの音がフィットしたが、その橋渡しとなったのはニルヴァーナだと思う。
カートコバーンのギターの音が自分のチャンネルを少しずつ、そしてある日ガラリと変化させた。
当時自分を含め多くのバンドが激しい静と動の変化を曲のアレンジに取り入れ、BOSSのディストーションでコードをかき鳴らし叫んだ。
カートコバーンのもたらした革命はロックという枠を完全にぶち壊し、様々なジャンルの音楽、文化に影響を与え、そして、できすぎた終わり方をしてしまった。
コアなニルヴァーナファンからしたら賛否あると思うけど、下の動画のカバーをカートが生前に聴いたら自殺せずにすんだかもしれない、 Smells Like Teen Spiritの素敵なカバー。
以下クリックでYou Tubeの動画が再生されます、音がでますのでご注意ください。
日本の機材を使用したカートコバーン
来日は一度だけのようだが、使用機材をみるとFender Japan、BOSSなど日本製の機材を多数使用している。
今では懐かしい話だが、90年頃高校生だった私はFenderやGIBSONのUSA製があこがれで、Fender JapanやOrville By GIBSONなどではなく早くUSAが欲しかった。
アメリカに住んでいた知り合いに聞くところによると、アメリカではものにもよるがFenderのストラトが日本の価格で4万円ぐらいだと(90年ごろ)日本では20万ぐらいする。
そして、Fender Japanのストラトは近所の楽器屋で5〜7万円ぐらいで購入できた。
高校生のころは経験もないしよくわからない。
私が日本製か〜、とか思ってた機材をカートコバーンは好んで使用し、新しい時代を切り開いた。
チューブスクリーマーもそうだが、日本製の機材たちが、ロックの新しい時代を作る手助けをした。
80年代なかば、布袋さんも日本のギターの質が上がったとしきりにプレイヤーの連載で書いている。やはり時代を作った布袋さんです。
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BOSSのDS1とDS2
カートコバーンが好んで使用した歪みはBOSSのディストーションDS-1とTURBO DISTORTION DS-2。
フカジは両方所有していますが、DS-1の方が荒々しくて好きだ、一踏みいっぱつでグランジの音になる。
このDS-1、凄いボロボロなものをグランジっぽいなんて思ってたまたま普通に中古で売っているのを発見したのだが、銀ネジでスケルトンのスイッチ、79年製だった、ちょっとノイズはのるけど滅茶苦茶いい音がする。今弾いて、1時間ぐらい同じリフを弾いて頭の中でドバドバと何かがでてきて(笑)たまらなく気持ち良い。
Incesticideを聴き込んだので、あの音の快感が体に染み込んでると思う。
現行でもDS-1は発売されていて、新品を試したことがあった、あくまで私フカジの好み思い込みかもだが、違うと感感じた。所有しているボロボロのDS1は絶対に手放したくない1台。
TURBO DISTORTION、DS2は中域にくせのある音でイン・ユーテロあたりから使用していたようだ。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテもBOSSのDS1とDS2ともに使用しているが両方名器。
DS2も日本製と台湾製があり台湾製は所有したことはないが少し弾き比べたところ音が日本製とちょっと違う感じだ、そして古いものということもあるが個体差があるのではと思う。
このちょっとの差をどう捉えるかはギタリストの自由だが、そのちょっとのにどれだけ拘れるかが、よい音を出せるギタリストかどうかの差になると私は思う。
自分の耳を鍛えてよい音を選別するには投資も多少必要だが、価格だけでよい音と決めつけお金を出すのではなく、自分の気に入った音にお金を払うのであれば少々高くてもありだと思う。
ギタリストが良い音を出すまでの道のりは「ちょっとした違い」の分岐点の連続。
わかる人にはわかるが、わからない人にはどっちでも良い音。
だが、人の心に届く音を出す人になるには、わかるひとにならなければ、心にまでギターの音を届けることができない。
ギタリストの実力はもちろん大切だが、よい音のするギターや機材を選ぶ耳も同じぐらい重要。
以下は、最高のギターのトーンと強烈なプレイでいまだに世界中のブルースファンを魅了し続けるスティービー・レイ・ボーンの若き日のエピソードだが、楽器を選ぶときに参考になると思う。
ーーーースティービー・レイ・ボーンの友人ロバートブランデンバーグ(カッター)の証言
奴はなんだってとことんまでやり過ぎるんだ、バーベキューサンドイッチだって腹が満タンになるまで食うしね。でもなんと言ったって極めつけはギターさ、ギターっていうとクレイジーになっちまう。あれほどギターの腕にこだわるやつにはちょっとお目にかかったことがないね。
〜〜中略〜〜〜
(アーノルドアンドモーガン楽器店でのスティービーは)「見ているだけですから」などともごもご言って店員をかわしながら店中のギターやアンプを全部試してみるのだ。ジョー・ニック パトスキー (著), ビル クロウフォード (著), Joe Nick Patoski (原著), Bill Crawford (原著), 戸根 由紀恵 (翻訳), 高城 恭子 (翻訳)(1994)「スティーヴィー・レイ・ヴォーン/魂への帰還」, p.42,シンコーミュージック社.
カートコバーンの使用機材
2013年 シアトルの音楽博物館 EMP 撮影
※以下の写真はシアトルの音楽博物館EMPにて当ブログ管理人フカジが撮影したものです、問題があればすぐに削除します。
沢山あるので一部紹介となります
使用 エレキギター
・ユニバイブ ハイフライヤー
※荒井貿易がマツモク工業と提携して生産していたもの
・FENDER JAPAN ストラトキャスター
※91年頃数本購入したということ、購入時期からH、I、J、Kシリアルあたりではないかと推測できるが詳細は知りません。・FENDER JAPAN テレキャスター
・FENDER JAPAN ムスタング
・FENDER JAGUAR 65年製
・Epiphone ET270
アンプ、プリアンプ
・FENDER ツインリバーブ
・Marshall 1936
・Mesa Boogie Studio Preamp
・クレスト オーディオ 4801
・Marshall 1960Aエフェクター
■DISTORTION
・BOSS DS1 DISTORTION
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・BOSS DS2 TURBO DISTORTION
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・Tech21 SANSAMP Classic
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※カート コバーン使用の初期SANSAMPはケース表面にClassic表記がありません。■Chorus
・Electro-Harmonix SMALL CLONE
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・Electro-Harmonix POLY CHORUS>>Yahoo!ショッピング・ヤフオクでPOLY CHORUSを確認する →こちら! 出典元:ギターマガジン2005年5月号 リットーミュージック社
最後までお読みくださいましてありがとうございました。
カート コバーン使用したBOSSのディストーションをさらに検証しました、お時間ありましたらいかがですか。