MAXON(マクソン)のGE1500
布袋さんがBOOWY時代に使用していたMAXONのイコライザーGE1500について書きます。
いつから使い始めたのか、探したのですが出てこなかったのですがRock'n Roll Circus Tourでは使用していたようです。
※ギターマガジン1987年5月号に掲載
JUST A HEROのスコアの巻末に掲載されている布袋さんの使用機材イラストには記載がないので、1986年以降にラックに組み込まれたものと思われます。
リンク
画像、引用:BOOWY JUST A HERO バンドスコア 巻末
詳しい発売日はよくわかりませんが、MAXONの公式ページよりダウンロードできる説明書によれば、1985年の発売ですね。
参照元:MAXON 株式会社日伸音波製作所 公式ページ
「GE1502」という機種があるのですが、番号的には後継機種の番号なのですが、同公式ページの説明書のクレジットは1983年なので、GE1502 の後継機種がGE1500ということになるのですかね、詳細は不明です。
そしてエフェクターのカタログを大量に掲載してくださっている楽器カタログの世界様のMAXONの1984年のカタログにはGE1502が掲載されています。
参照:楽器カタログの世界
ということはGE1500は1985年以降に発売された製品であると思われます。
GE1500とGE1502の規格は説明書の「主な規格」をみる限り同じですね。
上記間違っていたら、ご指摘くださいますと幸いです。
カタログクレジット
- GE1502 ⇒1983年
- GE1500 ⇒1985年
このMAXONのGE1500ですが80年代中頃に発売されているにもかかわらず、現在オークションなどで高値取引されています。
高額取引されている理由は布袋さんがBOOWY時代に使用していた、いわゆるドンズバと言われる機材で、しかも出荷数が少なかったからとのことです。
GE1500とGE3100の出音の印象
私フカジは、最近酒を全くのんでいませんが、何十年もアルコールに溺れていまして、断酒が200日を超えやっとクリアな思考を取り戻しつつある現状です。
過去酒に溺れることと比例してどんどん音楽への興味を失っていきました。
もし、最近音楽が面白く無いなぁ〜なんて思っている昭和生まれの酒飲みは断酒してみると音楽への感受性が戻るかもしれません、音楽を取り戻すための断酒はおすすめです。
話はそれましたが、酒を飲みつつもまだギターを弾いていた20年ぐらい前の話ですが、フカジはバンドでオリジナル曲を演奏し、布袋さんから脱皮せねばと、ストラトとファズやTS系を使った音を出していたのですが、元々は布袋さんが好きなギタリストだったので、自宅でこっそりBOOWYのコピーや未発表曲の宅録などして自己満足し、音もそこそこ近づけようとしていました。
お金もなく、基本的に手に入りやすい機材やマルチで音を近づけていこうというスタンスだったのですが、時々リサイクルショップでびっくりするような価格でドンズバ製品に出会うことがありました。
このGE1500もそのびっくりする出会いのひとつで、高級ランチ一食分ぐらいの値段で購入できました。
そしてその横に、兄弟機種のGE3100も同じような値段で並んでおり、これは買いだと購入し2台まとめてわずか数千円という破格の入手だったのです。
両機種とも出音などチェックしたところ問題は無く、音をだしてみた最初の印象は、「あれ、音が太くなったかも」というものでした。
どちらがどうということを聴き分ける耳は残念ながらフカジにはありませんでした、共に良い音です。
イコライザーなので、SPXなどのように劇的に「おお!BOOWYサウンド!!」などという感動はないですが、この1台があるとBOOWYの頃の布袋さんに近づいた気におおいになりました(笑)
なにぶんフカジが酒に溺れてギターを弾かなくなったもので、価格の高騰ぶりから手放すことを決心し数年前必要な方に譲り、いま手元にはありませんが、同じく購入したGE3100はまだ残っていたため引っ張りだしてきました。
久しぶりにギターをこの「GE3100」につないで音をだしてみたところ「やっぱ太いかな」という感想です。
GE1500はステレオ(2ch)で、GE3100はモノラルという仕様で説明書も同じ兄弟機種なので内部回路もほぼ同じものと思われます。
以前、SDD3000の記事でも書いたのですが、良いミュージシャンは良い機材を選択する耳を持っている、ということを書いたのですが、布袋さんが数あるイコライザーから選び、BOOWY解散まで使用していたにはなにか理由があるのではと思い、この兄弟機種である「GE3100」の中をみて、音の太さの秘密を探りたいと思います。
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GE3100(GE1500)の音の太さの要因?
先にお話しますと、フカジはエフェクターの自作など全くできません。
子供の頃にラジコンのグラスホッパーを無事作ったことあるレベルでエフェクターは純正のまま使用してきました。
なので、開けたところで何がどうなどわかるはずもないのですが、せっかくGE3100があるのでちょっと興味が沸いたということです。
それでは開けてみます、まずは上ですね。
※以下の画像はGE3100です
サッパリわかりませんね(笑)
ひっくり返して裏面にいってみます
でてきました、なにかとエフェクターの音を左右すると言われているオペアンプがずらりと並んでいます。
このGE3100にはJRC4558DNというオペアンプが使われていて20以上組み込まれています。
同じような回路のGE1500にも同じオペアンプで組まれているのではないでしょうか。
JRC4558といえばチューブスクリーマー初期TS808に組み込まれている「JRC4558D 艶あり」と呼ばれるものが人気ですが、GE3100をとおして太く感じるということは、このJRC4558DNも同様に質の良い音であると思います。
80年代は人気のJRC4558Dもエレクトーンやラジカセなどに普通に組み込まれていたらしいですが、このJRC4558D系オペアンプがこのイコライザーの音が太く感じさせている要因ではないでしょうか。
布袋寅泰 GE1500 セッティング
リンク参照:布袋寅泰 GUITAR WORKS COMPLETE FILE P50 リットーミュージック
これを目をこらしてみて、GE3100で調整したものがこちらです
右の3つのボタン
・HPF(ハイパスフィルター) ⇒IN(赤)
・RANGE(グラフィック及びLevelのブーストカット量) ⇒6dB(緑)
・EQ(バイパススイッチ) ⇒IN(赤)
■周波数
25、40、63、100、160、250、400、630、1、1.6、2.5、4、6.3、10k、16KHz
■セッティングの特徴
CH1
オレンジのLevelpeekがかなり下げられている
160、1、2.5が高く400が抑え気味
CH2
オレンジのLevelpeekは若干絞られている程度
CH1と同じようなカーブだが抑え気味だった400が高い位置にある
というようなサマリーになりますが、会場により微妙にセッティングを調整していたようです。このセッティングはサイコパスのレコーディングに持ち込まれたものとのこと、実際に使用したセッティングかどうかは定かではありません。
現在オークションではGE1500も価格が落ち着いてきたとはいえ20000円ほどで落札されています。GE3100はドンズバでないだけでこうも違うのか!!と言わんばかりの1000円ほどですので、GE3100は、もし1000円ぐらいで見つけたらお買い得ですね。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。
※布袋寅泰関連のエフェクター、参考にしてください
⇒BOOWY時代の布袋寅泰使用機材