ガーってやればいいんだよ

山下久美子 1986 (布袋寅泰BOOWY時代の参加作品 )

    山下久美子 1986

    布袋寅泰、BOOWY以外へ初の全面的なプロデュース作品

    前作BLONDで出会った山下久美子さんと布袋さんは結婚し、公私ともパートナーとなり、多数の作品をリリースすることになります。※前作BLONDの記事は→こちら

    その第一弾がこの山下久美子さんのアルバム「1986」です。

    「BLOND」から「1986」前後の布袋寅泰の仕事

    BOOWYが一部のコアなファンだけではなく一般的にも勢いに乗り始め、布袋夫妻はプライベートでも盛り上がっていたと思われるこの頃、元々BOOWY以外でスタジオミュージシャンとしても活動していた布袋さんはさらに勢力的に音楽活動の幅を広げます。
    85年〜86年でざっと調べただけでこれだけ出てきます。

    【1985年】

  • AUTO-MOD「デストピア」(1985年1月)
  • PINK「PINK」(1985年5月25日)
  • 泉谷しげる バックバンド タワーズ(1985年6月〜8月)
  • BOOWY「BOØWY」(1985年7月20日)
  • 吉川晃司 「RAIN-DANCEがきこえる」(1985年9月25日)
  • 奥田圭子 「プラスティック」(1985年10月21日)
  • 中島みゆき「miss M.」(1985年11月7日)
  • 山下久美子「BLONDE」(1985年11月21日)
  • 池田幸司 「BOY’S STREET GIRL’S AVENUE」(1985年11月21日)
  • 44マグナム 「FOUR FIGURES」(1985年12月21日)
  • 【1986年】

  • 吉川晃司 「ModernTime」(1986年2月21日)
  • 鈴木雅之「mother of pearl」 1986年2月26日
  • BOOWY「JUST A HERO」(1986年3月1日)
  • 袴田 秀 「ヒーローズ~Where Are The Heroes」(1986年5月5日)
  • 大沢誉志幸「クロール」(1986年5月21日)
  • URBAN DANCE「TWO HALF」(1986年6月21日)
  • 小幡洋子「B・I・S・H・O・N・U・R・E YOCO 」(1986年7月25日)
  • 山下久美子「1986」(1986年10月21日)
  • 小松 康伸「First Blood」(1986年10月22日)
  • BOOWY「BEAT EMOTION」(1986年11月8日)
  • 松岡英明「Visions of boys」(1986年11月21日)
  • この間にBOOWYのライブもこなしてるのですから…強烈な仕事量です。
    「JUST A HERO」がリリースされた年に「1986」立て続けに「BEAT EMOTION」リリースですので、凄い濃い一年です。
    ちょうどこの頃のプレイヤーの連載で、どれだけ布袋さんが忙しかったかがわかる記述があります。
    少々無理をしてでも自身のキャパをどんどん広げていったのでしょう。

    この頃の布袋さんの忙しさ

    一部では、布袋はBOφWYってバンドがあるのにあちこち手出して節操がネエ奴だくらいの事言われているみたいだけどサ、僕はもっともっと自分を高めたいし、変な言い方すればバンド自体その為の手段だったりしちゃうし。 最終的にやりたい事なんて、まだ自分でもわかってないけど、そこに行く為のステップは確実に踏んでるつもりなんだ。
    ホッピーさんはずるだとか言ってたけどずるしたわけではなくて本当に体がダメになっていたのです。 会社に毎日通って働くよりはずいぶん楽に違いないと信じてやまない気持ちからバンドマンになったのにとんでもない! 人一倍忙がしくて働きもの。 ギターを見るのもイヤになっちゃうくらいの毎日だったのです。 久美ちゃんのニュー・アルバムのプロデュースと、松岡君ていう新人のデビューアルバムのプロデュースで、スタジオの中を行ったり来たり…。 とりあえず一段落した所で、BOφWYのニューアルバムのレコーディング。 その合間を見計らってロンドンに行ったりして頭の中はフランジャーをいち度に10個かけたみたいな状態です。
    引用元:月刊Player 1986年 布袋寅泰 プレイヤーコーポレーション

    フランジャーを一度に10個かけた状態という表現に、どれだけ忙しかったかが想像できます。でも、布袋さんはそのハードワークを乗り越え、更に飛躍していきます。

    「1986」について

    ■1986

    発売日:1986年10月21日発売
    1. REINCARNATION
    2. LUCKY MAN
    3. Nomore, Rumour
    4. SINGLE(シングル)
    5. 笑ってよ、フラッパー
    6. WALKIN’ IN MY SLEEP
    7. ANGEL BEAT
    8. うたたねチャーリー
    9. STOIC DRUNKER
    10. On Sunday’s 1986

    • プロデュース:川面博
    • レコーディング・ミックス:マイケル・ツィマリング
    • サウンドプロデュース:布袋寅泰
    • ドラムス:川島一秀、高橋まこと
    • ベース:浅田 孟、松井恒松
    • フレットレス・ベース:有賀啓雄
    • ギター:布袋寅泰
    • プログラミング:松武秀樹
    • キーボード:富樫春生、国吉良一、西本明
    • バイオリン:中西俊博

    ジャケットの印象から全体的にモノトーンのイメージがあるが、曲やアレンジのバリエーションが豊かなカラフルで極上なPOPアルバム。BOOWY以上に布袋色が強いのではないでしょうか。

    布袋さんの音楽の虜になったのは、BOOWYはもちろんなのですが、布袋さんの頭の中にある「POP」が余すところなく作品になっている「山下久美子さんの一連の作品」によるところが大きいです。

    「BLOND」から「1986」まで約1年ほどですが、聴き比べると大きな差があります。
    「BLOND」は時代を感じる音ですが「1986」はあまり時代を感じないのはマイケル・ツィマリングのミックスによるものかと。

    マイケルが日本にやってくるあたりから、日本のロックの音が変わっていき、たぶん私の世代の多くはBOOWY3rd「BOØWY」以降、耳に慣れた音がこの音なのです。
    こう考えると、5人目のBOOWYと呼ばれた時期もあるマイケル・ツィマリングが現在の日本のロックの音を作ったような気さえしてきます。

    参加ミュージシャンの特にベースとドラム。BOOWYにシーナ&ザ・ロケッツのボトムを支えるリズム隊、これは強力。
    布袋さんが土屋昌巳さんのライブを見に行き、そこに参加していた浅田孟さんに衝撃を受け、是非一緒にプレイしたくて実現したようです、その後のソロにもつながっていきます。

    1986ピックアップトラック

    1. REINCARNATION

    詞曲ともに布袋さんです。テーマが壮大で、今聴くとその後の行末がわかっている現在、とても切なく響きます。
    この曲は私がこれまで聴いてビックリした曲3本の指に入ります。XTCの「ザ・ビッグ・エキスプレス」の1曲目、「ウェイク・アップ」のリフそのままで、布袋さんはウェイク・アップを大変気に入っていたようで、プレイヤーの連載でもビッグエキスプレスが最高と書いており、隠すわけでもなく記念すべき初全面プロデュース作品の一曲目にお気に入りのアレンジを持ってきています。
    ちなみに、ビックリしたもう二曲は、シーナ&ロケッツ「レモン・ティー」とフリッパーズギターの「DOLPHIN SONG」です、ともに名曲です。聴けば聴くほどロックとは面白いですね。

    2. LUCKY MAN

    REINCARNATIONが終わって、このイントロが始まる瞬間とてもワクワクします。
    ブロンディ初期をイメージ、16のシーケンスに逆回転のギター・ソロ、ここでもうこのアルバムのカラフルさが印象づけられます。

    4. SINGLE(シングル)

    3. Nomore, Rumourとこの曲がBOOWYリズム隊。ホンキー・トンキー・クレイジーのグルーブが持ち込まれたノリとメロディの両方が際立つシングル曲

    8. うたたねチャーリー

    布袋さんのパコーンとしたクリーンのカッティングはほんとうに気持ち良い。ギターリフはチョッパーで弾いているとのこと。
    土屋昌巳さんが布袋さんのことを良い音を知っているミュージシャンと話していましたが、何度聴いても気持ち良いグルーブ、快感な曲。
    DANCE CRAZY的なリフやストーリー性のあるアレンジでアルバムを最後まで飽きさせません。

    10. On Sunday’s 1986

    テンションのシーケンスが不安感を喚起させ、初めて外国に行ったような心細さ、また、サビのアコースティクギターのストロークは旅先で出会う安堵感か、自由に聴き手が映画のような想像力をふくらませることができる曲。

    ミュージック・スクエアで話していましたが、初の全面的プロデュースということで、「山下久美子さんは全く不安ではなかった」が、布袋さんは「不安と緊張の毎日」だったそうです。
    普通の人なら、そこで追い詰められうつ病とかでダメになってしまうところですが、布袋さんの音楽への愛情と精神力は困難をチャンスへと変えてしまう。

    いくら好きなこととはいえ、殺人的スケジュールの極限状態から生み出された本作は、いま聴いても全く色あせていない時代を超えた名盤です。

    最後までお読みくださいましてありがとうございます。


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